前回の投稿の続きである。
▼前回の投稿
イギリスの郵便局を舞台にした「イギリス史上最大の冤罪事件」について▼今日の投稿
【当社意見(追加)】----------------------
前回の投稿で私が言いたかったことをまとめると、次のとおりだ:「富士通のソフトウェアにバグがあることに気づいたが、富士通との取引を継続すると決めたイギリス政府の人」は、もともと「富士通のソフトウェアが欲しかった」のではなく、富士通の、「企業としてのマネーロンダリング機能」が欲しかったのではないか?
つまり、私はこう思っているのだ、富士通の持つ「マネーロンダリング機能」は、戦争やODAと同じスキームなので、イギリス政府の中には、最初から富士通のマネーロンダリング機能に気づいていた人がいた可能性も高い、と。
イギリス政府が「富士通のマネーロンダリング機能に気づく」きっかけは、戦争やODAと同じスキームだから、というだけではない。可能性としては、イギリス政府が、富士通(日本側)から、「マネーロンダリング機能」を売り込まれたということも考えられる。よく考えてみてほしい。イギリス政府が富士通との取引を決めたとき、ビジネス視点では、富士通の「公共用システムメーカー」としての競争優位性は、特に見当たらないのだ。富士通は、「世界最強の公共用システムメーカー」として有名だったわけではない(正確には、「『世界最強の公共用システムメーカー』として自分を売り出すために多大な広告費を費やしたわけではない」)。
凡そ、政府事業には、マネーロンダリング機能が内在している。戦争やODAは「大規模」なので、「典型」「例」として挙げやすいというだけだ。この「政府事業に内在しているマネーロンダリング機能」を利用して儲けを出すことができる立場にある人にとっては、「ソフトウェアのバグなど些細なこと」どころか、「どうでもよいこと」であるに違いない。「郵便局のためにソフトウェアを導入する」というのは、別の「大きな儲け話」の隠れ蓑であった可能性が高い。
私の考えでは、この事件は、「ソフトウェアのバグに起因する話ではない」どころか、「そもそも『ソフトウェアを導入する』という話ではない」のである。
一般的に、「ソフトウェアを選ぶ」ということは、私が『
streams』を選んだような状況が典型である。私は、当社(自分)の言論活動を支えるためのソフトウェアとして『
streams』を選んだが、それは、私が『
streams』の機能を「必要」としていて、『
streams』のコードを読んで「優れている」と思ったからだ。「自分が作りたいと思うようなソフトウェアを
Mikeさんがすでに作っていた」という状況である。
イギリス政府が「郵便局の日常業務をまわすためのソフトウェア」を「必要」としていたとき、イギリス政府は、イギリス本島のみならず、ユーラシア大陸やアメリカ大陸やオーストラリア大陸からいくらでも調達することができる立場にあった。現在もイギリスの郵便局では富士通のソフトウェアが利用されているので、現在進行形で「イギリス政府は郵便局の日常業務をまわすためのソフトウェアを必要としている」と考えられるわけだが、現在進行形で話をするのなら、私の好きな『
streams』はオーストラリア製、『Linux』はフィンランド製、『Debian』はドイツ製、私の好きなハードウェア『Raspberry Pi』に至ってはイギリス製であるから、イギリス政府は、基準言語が「英語」である優れたソフトウェアと、優れたハードウェアを、その気になれば、いつでも、自在に調達できる立場にあると言える。
改めて、イギリス政府がイギリスの郵便局を支えるシステムとして日本の「富士通」のソフトウェアを選んだ理由を、よく考えてみよう。イギリス政府が公共システムを導入するにあたって「あたかもイギリス国内企業と取引をしているかのような外見」を必要としていたとしても、富士通がイギリスの現地法人を購入していたことは、決して富士通を特別に有利な立場にはしない。この外見は、別の企業にも作らせることができるからだ。たとえば、大規模な冤罪事件として立ち上がるより前に、イギリス政府は、Microsoft社やIBM社にそうさせることもできただろう。
「イギリス史上最大の冤罪事件」は、「ソフトウェアのバグ」だの「エンジニアの問題」だのではない。
これは、「政府の問題」である。「公共事業にかこつけて政府関係者だけが『特別な儲け』を出せてしまう問題」である。しかも、「特別な問題」ではなく、「昔からある問題」「よくある問題」である。「ソフトウェア」という単語が新しいように見せているだけなのだ。
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【編集履歴/Update History】
Feb/03,2024: 「カテゴリ」に 「イギリス史上最大の冤罪事件」を追加しました。
Mar 25, 2024 カテゴリ「ODA」を追加しました。
Mar/31,2024 カテゴリに「富士通」「Fujitsu」を追加しました。