昔から「現実感のある噂」や「裏付けのある証言」はあったし、信頼できるジャーナリストが「調査中だ」としながらも記事を書いておられたので、私は西側に小児性愛ネットワークが存在することは確かだと思っていたが、このたびエプスタインファイルの公開によって明らかになったのは、女性と子供を対象にした虐待が、「弱い立場にある人々を囲い込んだうえでの用意周到な虐待」であったということだ。孤児院にいる子供、養護施設に預けられている子供、学校の寮にいる子供は、虐待されても、虐待者が管理側にいるか管理側と親しい場合、声を上げることができない。なんとおぞましいことだろう。なんて可愛そうな子どもたちだっただろう。暗澹たる気持ちになる。
「公平な競争」「平等な理念」といったかつて私を魅了した崇高な言葉が、「まやかしの呪文」にしか見えなくなった。
虐待者は救われなくてはならない。傷を負ったまま人生を閉じてはならない。