富士通は、イギリスで郵政の窓口業務を担当する会社「ポスト・オフィス」にソフトウェア「ホライゾン」を納入した。その欠陥が大規模な冤罪につながった 郵便局長らは、窓口の現金とこのシステム上の記録額に不整合が生じていたことから犯罪者とされた。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-61743414富士通の執行役員でヨーロッパ地域の責任者を務めるパターソン氏が「早い段階でシステムにバグや欠陥などがあったことを関係者全員が知っていた」と証言しました。システムが導入されたあとの1999年11月には欠陥が把握されていたものの、2018年まで20年近く問題が続いていた
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240120/k10014328251000.html政府による独立の調査委員会で19日、富士通の執行役員は29の欠陥などがあったことを認め、“こうした事実を郵便局の運営会社に知らせていた”と証言しました。
https://news.livedoor.com/article/detail/25733917/アップデートされたホライゾンシステムは、今もポスト・オフィスの支局で使われており、同社と富士通の契約は2024年まで延長された。富士通のITシステムはポスト・オフィス以外にも、英政府の中枢で採用されているからではないかと言われている。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-60598164郵便局スキャンダル後も、富士通UKは英政府から受注を続けている。政府の契約などを分析している英タッセルによると、富士通は過去4年間で101件の契約を獲得し、総額は20億ポンドに上る。ホライズンの延長契約には9500万ポンドが支払われた。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-61743414元郵便局長の男性がJNNの取材に応じ、「当局にシステムの不具合を報告しても無視された」と、当時の状況を語りました。
https://news.livedoor.com/article/detail/25733917/【当社意見(#
1/2)】---------------------------------------当社はソフトウェアの開発会社だ。ソフトウェアにはバグがつきものだが、この件は、どうも腑に落ちない。富士通は日本政府に近く、日本政府やその周辺の組織と取引関係を持つ企業の一つだ。海外のかたには「大企業」といったほうがいいのかもしれないが、日本企業の場合は、「企業規模」だけ説明しても何も説明したことにはならない。日本企業は、日本政府との「距離」によって、「社会での扱われ方」や、「日本政府から支給される補助金の金額」が決まるからだ。日本政府やその周辺の組織と取引関係を持つ企業は、日本では「衛星企業」と呼ばれ、経済界において、「特別な地位」にある(*1)。
*1)日本は「身分制国家」である。日本には、天皇という、税金から多額の生活費支給を受ける「特別な身分」が存在する。天皇と一般庶民では、適用される法体系も違う。日本では、一般庶民に適用される「法律」は、天皇家には適用されない。天皇家には「天皇家専用の法律」があるのである。日本では、法律は、万人に平等に適用されるようなツールではない。
富士通は、身分制国家である日本という国の「顔」とも言える企業のひとつである。BBCの記事もこのように書いている(
日本では通産省(当時)による行政指導の下、1972年3月に国内6社が3つの企業連合(富士通・日立、日本電気・東芝、三菱電機・沖電気)を構成し、技術研究組合を創立した。国際競争力を付けるための補助金制度が整えられ、企業連合は1976年までに約570億円の補助金を受けた。政府のバックアップを受け、日本企業は海外で買収を繰り返した。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-61743414)。が、富士通ーー「日本政府から直接指導を受けている、特別な企業」ーーが作ったソフトウェアのバグというのが、「一つの郵便局内で、一日の終わりに、足したり引いたりした総計の数字が、手元の現金の総計と合っていない」というものなのである。
このバグは、エンドユーザーが存在を掴みやすいものだ、というだけでなく、バグ報告を受けたエンジニアも修正作業箇所を特定しやすい話であったように私には思える。もっと言えば、富士通がソフトウェアを出荷する前、テスト段階で「気がつくことができる」というような「程度の軽いバグ」であるであるように思える。
「バグの軽さ」と、バグによって引き起こされた「結果の重大さ」が、あまりにも不釣り合いだと私は思う。当社は、「システムのバグ」ではなく、「システムの取引に関与する人間の事情」が惹起した事件ではないかと思うのである。
---------------------------------------【当社意見(#
1/2)】ICLを買収した富士通は、イギリスで並外れた存在感と英政府との緊密な関係を得た。一社応札のかたちで政府から受注することも多かった。「富士通ICLは英サプライヤーとしてイギリス政府に優遇されていた」と、ソフトウェアコンサルタントのジェイムズ・クリスティ氏は話す。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-61743414富士通側が開発したシステムには、ホライゾン以前から問題が生じていた。
たとえば1999年に富士通ICLは、英治安判事裁判所の事案管理ソフトウェア「リブラ」の開発契約を1億8400万ポンドで受注したが、予想の約3倍のコストがかかった上、最終的に会計検査院はリブラについて、基本的な財務情報も提示できないと結論付けた。
ホライゾンは同時期にポスト・オフィスに導入されたが、その問題点はすでに知られていた。なぜなら、ホライゾンは元々は1994年に発表された給付金支払いの自動システムに使われるはずだったが、その基準をクリアできていなかったからだ。
歳入税関庁(HMRC)など英政府機関は富士通と多くの契約を結んでいる
長年IT業界を取材しているトニー・コリンズ氏は、「ポスト・オフィスはホライゾンという失敗作を押し付けられた」と話した。
2004年には、富士通UKは国民保健サービス(NHS)のデジタル化を他3社と任される。しかし度重なる遅れのためNHSが契約を断ち切ると、富士通は訴訟を提起。NHSが敗訴し、イギリス政府は7億ポンドの支払いを命じられた。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-61743414コリンズ氏によると、富士通は税務当局、歳入税関庁(HMRC)、労働・年金省などの政府機関に大規模なITシステムを提供しているという。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-617434142022年時田隆仁現社長に直接、話を聞かせてもらいたいと幾度もメールをした。答えは、「本件英国現地法人が一元的に対応しております
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-61743414【当社意見(#
2/2)】---------------------------------------引用した記事を読む限り、富士通は、イギリスにおいて、欠陥製品を大量に納品しており、イギリス政府のみならずイギリス人のほとんどのかたに、「実力を知られていた(ろくでもない企業だと認識されていた)」と考えられる。日本でも、富士通は、欠陥商品を流通させていたが (たとえば、
富士通のソフトウェアは、日本国内でも話題になっている。
昨年は、マイナンバーカードを使ってコンビニで証明書を交付するサービスで、別の人の証明書が発行される不具合が相次いだ。
また2020年には、東京証券取引所と富士通が共同開発したシステムの障害で、株式全銘柄の売買が終日停止となった。
2005年にも東証が誤発注を取り消せず、400億円を超える損失が出たが、当時の基幹システムを開発したのは富士通だった。
また、2002年のみずほ銀行のシステム障害では、富士通など3社が批判を浴びた。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-61743414)、日本では、正面から、「富士通の社員の能力が低い可能性が高いという問題」「そもそも富士通には受注する能力がなかったのではないかという問題」として扱われたことはない。「多重下請けシステム問題」という、経営や働き方といった問題にすり替えられてきたのである。再三引用してきたBBCの記事も、このことに触れている (
「エンジニアを正社員として雇いたがらないビジネスモデル」に原因があると言う。
終身雇用制が根強い日本では、アメリカのように社内でエンジニアを雇用すると固定費が増えてしまうため、企業は社外のシステムインテグレーションベンダー(SIer)に外注してきた。
その結果、多重の下請け構造が生まれ、クオリティーにも影響がでていると言う。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-61743414)。しかし、私は、この「日本ではそういうものとして流通してしまっている話」は、滑稽だと思うのだ。「富士通のシステムに欠陥が多いのは、富士通が悪いのではない。富士通の社員の監督下で働く、フリーランスの能力が低いだけである」と言っているに等しいからだ。それは、子供の言い訳である。富士通の社員の監督の下、富士通の社員が検品し、富士通ブランドで出荷しているのであれば、「最終的に監督検品した富士通の社員の能力が低かったです」と言えば済むと私は思うのだ。しかも、「富士通は固定費を浮かせるためにフリーランスを使っている」というが、最初に述べたように、富士通は、「衛星企業」であり、日本政府から特別な補助を得ている日本でも屈指の「特別裕福な企業」である。イギリスでもイギリス政府を相手に取引をしているので、資金繰りや収支計画に問題はないはずである。
日本国内においては「システムのバグはぜんぶフリーランスのせい」、イギリスにおいては「顧客対応はイギリスの現地法人がぜんぶやってるからこっちは何もわからない」、ということであれば、一体、富士通という会社は何なのであろうか? 結果責任を取らず、日本政府の補助金(日本人の税金)を入れるだけの、マネーロンダリング用の箱であるように見えてくるのは、私だけだろうか?
私は、この「マネーロンダリング用の箱」のことを、「マネロン箱」と呼んでいる。日本における「マネロン箱」の典型は、ODAである。アメリカにおける「マネロン箱」の典型は、戦争である。
イギリス政府は、富士通が「マネロン箱」として機能しうる企業であることを、知っていたのだろうか? 知った上で、イギリスの公共システムを作らせる企業としてふさわしいと認定したのだろうか? 最初に知らなかったとしても、途中で気づいたはずだと思うのだが、引用した記事によれば、イギリス政府はいまだに富士通と取引を継続しているという。そうだとするなら、「富士通のありかたに気がついたが富士通との取引を継続すると決めた」のは、一体誰なのだろうか?
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2/2)】【当社意見(追加)Jan 30,2024(JST)】----------------------
イギリスの郵便局を舞台にした「イギリス史上最大の冤罪事件」について (続き) ----------------------【当社意見(追加)Jan 30,2024(JST)】
【編集履歴/Update History】
Feb/03,2024 19:34(JST) 「カテゴリ」に 「イギリス史上最大の冤罪事件」を追加しました。
Feb/03,2024 05:18 (JST)【当社意見(追加)Jan 30,2024(JST)】を追記しました。別ページになっています。
Mar/31,2024 カテゴリに「富士通」「Fujitsu」を追加しました。