宗主国の下院がラボリーク説を取ったことで、宗主国の判断を「正解」ととらえる一部のかたがたの間で、私の株が上がっているらしい(笑)。というのは、私が、「コロナパンデミック」(←まあ便宜的に)の当時、ラボリーク説の分派ともいうべき「オリンピックギミック説」を提唱していたからである。
はっきり言っておくが、私は「慧眼」ではない。私が思うに、受発注の構図、すなわち【「発注:アメリカ政府」「受注:中国政府」】の構図は、当時「ふつうに」得られた情報から、誰でも明確に描けたはずなのである。もし、あなたが、【「発注:アメリカ政府」「受注:中国政府」】の構図を描けなかったとしたら、原因は、「宗主国を買いかぶっていた(美化していた)」か、「中国を見くびっていた」か、いずれかだったからかもしれないね。他にも考えられる要因はないこともないが、もしあなたが私程度の情報収集能力があるのであれば、そのいずれか(あるいは両方)であった可能性が高いと私は思う。
「コロナパンデミック」(←まあ便宜的に)のさなか、「ふつうに」得られた情報から、私は、【「発注:アメリカ政府」「受注:中国政府」】の構図を、自分の仮説の中心に据えたのであった。私にとっての「問題」は、「アメリカ政府が発注者としてウィルスの作成費用を全額中国に自腹で支払ったのか否か」であった。
と言えば、日本人はピンとくるだろう。そう、私は、日本政府が全額あるいは一部の資金を提供したと考えるのが妥当だと考えたのである。
「コロナパンデミック」当時、日本は安倍政権下であった(「アベノマスク」を思い出されたし)。日本政府は、収支も統計情報もまともに作ったためしはないが、安倍政権下では、さらにあくどさが増していて、「まともに作成しない」どころか、積極的に公的資料の「捏造と破棄」が行われていた。つまり、日本政府は、宗主国に「Hey、ポチ、金」と言われれば、資金をいくらでも提供することができる状態にあったのである。
私は、『Twitter』で、JOC竹田恒和会長をフランス当局が「起訴」して「有罪にする」のを期待している人々を見ながら、ふと、安倍氏がオリンピック招致活動をしていたころ、IOCが、オリンピック招致活動をしている国々に「オリンピックが国家事業であれば招致に有利である」「宣伝に政治家が関与すれば有利になる」というメッセージを送ったというニュースを思い出したのであった。「アンダーコントロール」で有名になった安倍氏の「招致パフォーマンス」(「登壇」)は、招致活動を「有利にするため」に行われたということであった。
「オリンピックが国家事業であり、政治家が招致パフォをするのであれば、招致活動が有利になる(招致に成功する可能性が高まる)」とは、一体どういうことなのか?
確か、IOCが出した当初の条件は、「金がかからないオリンピックであればいい」であったはずだ。「コンパクトなオリンピック」とかいうやつである。それが、いつ、「オリンピックが国家事業で政治家が招致に関与すれば招致に成功する可能性が高まる」などというあからさまに「それなりの費用をかけろ」という条件に変わったのだろうか?
私は、このことを、「日本政府がオリンピック招致に成功した」という事実から逆算して考えてみたのであった。「日本政府がオリンピック招致に成功した」ということは、IOCが、「東京は、他の競争都市以上に、国家事業レベルでオリンピックを開催する切実な事情がある」と「認めた」ということを意味する。
では、IOCも認めた、「国家事業レベルでオリンピックを開催する切実な事情」とは、一体何なのか?
私の知る限り、与党自民党(自民党政府)にとって「切実な事情」は、「国体護持」(=天皇家の維持)である。日本の占領統治事業を独占したアメリカに沖縄を事実上割譲し、アメリカから必要のない戦争グッズを購入し、米軍に日本の領土と領空と領海を自由に使わせ、アメリカ政府に直接あるいは世銀や国連のような国際機関を通じて日本人の年金や税金を渡してまで天皇の地位と財産を守ろうとしているのだから、それは間違いない。特に、安倍氏は、岸信介の孫であることから、貧乏な日本人を鞭打ち、近隣諸国をシャブ漬けにしても、「国体」(=天皇家)の財産を増やすことを是としていると考えるのが妥当である。
そこで私は思い出したのである、日本政府が「上皇」とかいう中世かよと突っ込みたくなるような字面の役職をひねり出したことを。
天皇は本来崩御するまで職を降りることはできない「終身職」のはずである。しかし、平成天皇は、生前退位にこだわった。いまだにお元気でおられるのだから、健康上の差し迫った理由がなかったことは明らかである。また、日本政府のお抱えメディアが、「90歳を過ぎても働くのは立派だ」「働き続けることが高齢者が健康でいられる秘訣である」とプロパガンダを打っているのに、天皇が終身職で働きつづける様をNHKニュースで見せるという一番安上がりで成功確率の高いプロパガンダを自分から取りやめるというのは、政策的につじつまが合わない。この事実から分かるのは、「天皇家は日本国民の手本である」という国体護持を目的とした「重要なプロパガンダ」の強化作業よりも「生前退位」のほうが優先順位が高かったということである。
先代は、「なにがなんでも生前退位する必要があった」のである。
先代は、生前退位するときに、「天皇制の永続を祈念する」とおっしゃった。「天皇の地位」は、憲法上「国民の総意」に基づくことになっているうえ、天皇制は身分制度であることから、「天皇制の永続」は大多数の日本国民の利益とは相反する(日本人の人格的価値を押し下げ、平等の価値や幸福追求権を絵に描いた餅にする)。よって、天皇がNHKをして「天皇制の永続を祈念する」と述べる様を報道させることには、「日本型右翼」やヤクザ層に「犬笛を吹く」意味しか見出すことができない。
となると、生前退位プロジェクトの発生前に、先代とその周辺(天皇政府)は、「次期天皇には国民の総意がない」と具体的に指摘される可能性か、犬笛を吹いて「暴力装置」を発動しておかないと存続できなくなる可能性のいずれか(あるいは両方)を認識した可能性が高いという仮説を立てることができるのである。「次期天皇には国民の総意がない」などという指摘は、日本国民から突きつけられることはない。なぜなら、日本人は、プロパガンダと海外の情報公開以外には「皇室の動き」を知る機会がないからである。よって、そのような指摘をする主体は、海外勢であると思われた。つまり、天皇政府には、国外に向けて、「次期天皇には国民の総意がある」という「体裁」を「見せつける」必要があったのではないかと考えられた。
天皇家には、「皇室メンバーがSPも防弾ガラスもなく街中をひとりでふらふら歩き回る様をユーチューバーに自由に撮影させる」ような度胸はない。よって、「あたかも国民の総意がある体裁」は、自民党に近い大手広告代理店に仕切らせて(「テレビの仕事が欲しい」中小零細の芸能事務所に「ほとんど素人」であるエキストラを集めさせて)、「日本庶民が沿道に出て日本の国旗を振っている様」を人為的に作成するしかない。
そう、私は、天皇制が「国民の総意」で成立していることを世界に見せるため、「新天皇」が「熱狂的に国民に支持されている様」を宣伝図として世界に配信する必要があったと考えたのである。私は思った、日本政府は、「新天皇に熱狂する日本人」の図を単独で作ることが難しいため、「オリンピックに熱狂する日本人」の図を流用することを考えたのだろう、と。
思い出してほしい、IOCが後付けで出してきた「招致を有利にする条件」のなかに、もうひとつ、「開催地の人々が熱狂的にオリンピックを待ち焦がれ、その熱意を表現していること」というものがあったことを。天皇政府は、日本庶民に向かって、「新しい天皇になって嬉しいだろ? お前ら喜べ。おらおら、とっとと日の丸を振らんかい! 」とけしかけるわけにはいかないが、「おらおら、お前ら、オリンピックを招致して日本経済を盛り上げなきゃいけないだろ? こんな不景気でいいのかよ。オリンピックを招致するためだ、おらおら、熱狂的に日の丸を振らんかい」ということは言えるのである。
私の考えでは、日本政府(天皇政府)は、「海外に見せるため」に、「熱狂的に日の丸を振る大量の日本人の図」を必要としていた。オリンピックの開催で大喜びして日の丸を振る日本人の姿を遠景にしてオリンピックの開会式で新天皇が「平和演説」をすれば、天皇が「国民に熱狂的に歓迎されている」ように見え、オリンピックの開会式は新天皇の「よいお披露目式」になるであろう.... (と、彼らが考えたとしても不思議はない、と、私は思った)。
しかし、日本にはすでにSNSが普及していたから、日本政府は、60年代のようにテレビやラジオを使って「オリンピックに熱狂する風潮」など作りようもなかった。それどころか、日本には「東京五輪反対運動」が起き、デモまで起きていた。SNSでは、海外からもたらされる「オリンピックにまつわる汚職事件」が庶民のあいだで共有され、SNSユーザーの一部の庶民のあいだに、かなり論理的な五輪反対の意識が醸成されていた。
折しも日本は厳しい不況下にあったから、日本政府(天皇政府)が、オリンピックを「経済的な」理由で「ありがたがらせる」ことは難しい状態にあった。日本人の全員が土建業についているわけではなかったし、土建業界も不況のあおりを受けて、「失業者を支える社会インフラ」の顔をとっくに捨てていた。こうなると、日本人に「集団で立ち向かうべき危機」を与え、「ああ、みんなで乗り越えられたね」という体験をさせて、オリンピックを、「ああ、あんなひどいことがあったのに、オリンピックを開催できるくらい回復してよかったね」という「記念碑」として活用するしかない....
というわけで、私の「コロナウィルスのオリンピックギミック説」が爆誕したのであった。
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Dec 15, 2024 「起訴」する → 「起訴」して「有罪にする」