『
20代巡査長がSNS「いいね」副業 山口県警が所属長注意』
https://mainichi.jp/articles/20240404/k00/00m/040/040000c『X』で、別件の公務員の不祥事(身元が特定されていたのに女性を誹謗中傷し続けたという案件)が話題になっており、その件についてネット検索しているときに、私は上記の事件を思い出した(いずれ記事を書こうと思っていたからである)。そこで『X』に戻ってこの「『いいね』副業事件」を検索すると、TwitterJapanユーザーの間に大きく2つの意見があることがわかった。ひとつは、「ネトサポ案件(*1)ではないか? 」という意見で、もうひとつは、「巡査長は手数料目的の詐欺にひっかかったのではないか? 」という意見である。
「巡査長は手数料目的の詐欺にひっかかったのではないか? 」という意見には、私は賛同いたしかねる。なぜなら、もし
巡査長本人が「詐欺被害」を認識し、被害を申し立てているのであれば、その認識が報道されたはずだからである。
「副業をするのに手数料が必要である」という文言を聞かされれば、一般的な日本人は、「自分は副業詐欺(貧困ビジネス)のターゲットにされた」と認識する。巡査長は、職業柄、「副業のルール」を聞かされた段階で、一般的な日本人以上に素早く、「それって詐欺じゃね? 」と疑うと考えられる。また、「副業をしたら赤字になった」という結果についても、巡査長が「決算前(副業ルールをきいたり、実際に『いいね』をする仕事をしたりしている時点)では赤字になるとは夢にも思わなかった」のであれば、赤字になった時点(初月の出納が出た段階)で、巡査長は、「ひどいじゃないか。楽で儲かるいい仕事だと思ったから、まじめに仕事をしたのに」と、被害感情を持つはずである。
また、私には、記事に、
巡査長が「どこで」この仕事の話を仕入れたのかが書かれていないことも気になるところである。仮にSNSが『X』である場合、「有償『いいね』」はルール違反になるのだから、
「ルール違反を持ちかけた人物」が誰であるのか、
「巡査長がどのアカウントに『いいね』をしたのか」の2点は、非常に重要な「事件の構成要素」だと私は思う。他の記事を見てみたが(
『
20歳代巡査長、SNS投稿に「いいね」押して報酬数千円…無許可の副業で所属長注意』
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20240405-OYTNT50069/)、やはり、この2つの要素がスッポリと抜け落ちている。
よって、私はこう思ったのだ、
当局は、巡査長に「ルール違反を持ちかけた人物」が誰であるのか、「巡査長がどこのアカウントに『いいね』をしたのか」を、明らかにしたくないのだな、と。
さらに、よく読むと、記事には、もうひとつ重要な要素が抜けていることがわかる。それは、「
巡査長が、日頃からSNSを利用していたのかどうか」である。というのは、SNSにおいて、「有償『いいね』」は、「ルール違反とされている行為」のなかでも、とても珍しい「
明白なルール違反」なのである。
SNSの「ルール違反」はグレーゾーンが広く、一概に「ルール違反」とは言えないことが多い。たとえば、「アカウント売買」だ。これは「多くのSNSの運営側からやめてねと言われていること」だが、「SNSアカウント」は事業買収や公式サイト売却の要素に含まれることがあるので、「アカウントが有償で譲渡された」ことをもって一概に「ルール違反である」とは言えない。また、「フォロワー買い」も、買う(買った)アカウントが事業者であり、SNS露出が興業系事業になる場合は「少数のサクラ」はゆるされていると考えられる。しかし、「有償『いいね』」は、そういう振れる余地のない、「明白なルール違反」なのである。「有償『いいね』」は、政党や政治活動家(たとえば、前代未聞の署名偽造事件を起こした大村知事のリコール運動主催者)が実行すれば、「多数派工作」「世論操作」であるから、民主主義を歪める行為となり、社会問題である。つまり、民主主義を歪めるような事態に発展するとSNSは
集団訴訟の対象になりうるので、SNS運営側が「有償『いいね』」を放置することはできないのだ。
「有償『いいね』」とよく似た性質のものに「政治がらみの書き込みバイト」というものがあって、安倍政権時代に、「仕事マッチングサイト」や「クラウドソーシングサイト」がこうした募集を野放しにしていて問題になったことがあった。よって、巡査長が「有償『いいね』」の仕事を見つけた場所は、「仕事マッチングサイト」や「クラウドソーシングサイト」ではないと私は思う。
まとめると、
巡査長が日頃から『X』を利用しておられたのであれば、ご自分の行為が「明白にやばい」と認識しておられた可能性が高いと私は思うし、巡査長がご自分から「やばい仕事」を「仕事マッチングサイト」や「クラウドソーシングサイト」のような「開けた場所」に「探しにいった」ということもないと思う。
(コメント欄へ続く)
【編集履歴】
2024/Dec/01 カテゴリ「愛知県知事リコール署名偽造事件」を追加しました。