政府のある社会における「権威」というやつは、実に厄介である。『
STAP事件』においてベンチャー株を吊り上げたように、政府や、政府(ないし体制)に迎合する第三者が「権威」を利用して体制を保守する(「政治がうまくいっているように見せる」)という目的のために人々を動員することができる、というだけではない。「カルトの権威」は、非常に深刻な人権侵害を引き起こす主体になるからだ。
私は、子供の頃、「西側」の「先進国」の人々は、「『権威のある人』がいる『閉じられた空間』」を「こじあけ」て、中のものを引っ張り出して白日のもとに晒して「溶かす」ことに成功したと思っていた。しかし、「カルトの問題」は、Peterさんのレポートを拝見する限り、いまだ西側でも解決したとは言い難い状況のようだ。
https://twitter.com/PeterSweden7(nitter:
https://any-nitter-url/PeterSweden7 )
ピラミッド型の組織や社会において、「権威ある人」が、権威のないメンバーに思想や発言の自由を禁じたり、スティグマやペナルティを与えたり、権威のないメンバーを弄んだりする空間は、非常にまずいと私は思う。禁じられたりペナルティを与えられたり弄ばれた側の人権が救済される可能性がないからだ。なにしろ「権威」の側が、あらかじめ「権威を否定することで救済され」たり「ピラミッドを離脱してその外側で生きる」ことを可能とする簡易な手段を排除しているのである。もっと言えば、「権威ある人」を軸とした組織は、そもそも未成年のような「組織から物理的に離れることのできる金銭的な能力」が欠如している人間を積極的にメンバーとして取り込んでいることが多い。「やられた側」から見ると、まさに「スティグマ」である。
帝国主義時代の歴史とまともに向き合ったことのある日本人の一部は、そのことをよく知っている。ただ、『
北方領土問題について』で述べたとおり、日本人は、「カルトの解体方法」がわからない。途方に暮れて、Twitterなどで「今日もこんなにまずいことがあったらしいぞ」と報告しあい、状況を共有して、嘆きあっているだけだ。
私にとって
Mikeさんは尊敬すべき人で、一般的には、彼は私にとって「権威がある存在」と言ってもよいであろう。
Mikeさんのように、皆が使い慣れていると思われる素材を選び、規格を参照しながら、そのうえで、自分の希望や理想をソフトウェア全体に反映させるということは、とても難しい作業で、なかなか誰にでもできるというものではない。私は、当社の公式サイトを動かしている『
レインボーリンク』というソフトウェアを当社の一般販売向け商品(汎用品)として作成したが、最初からSaaSにするつもりだったので、私は、「最初から自分の好きなようにコードを書くことができた」。自分以外の開発者のことを考えず、規格にはテキトーに合わせながら、「自分が好きなようにコードを書く」ことができる場合、そこに自分の希望や理想を反映させることは、比較的容易である。
Mikeさんは「私の権威」と言ってもよい存在だが、『
#streams 』のようなフェディバースの中にあっては、私は「私の権威」と「同等の立場」である。「権威」を作り、「権威」を守り、「権威」を利用してきた既存の政治システムが、
Mikeさんがご作成になったような空間を作ることは、百パーセント不可能だと思う。
本当の「権威」は、その人を尊敬し、「権威」だと認める人の心の中で、自ずから永遠に権威であり続けるもので、政府や社会によって「権威である」と「規定される」ようなものではないのだと私は思う。権威がそういうものだと知りながら社会において「権威」を「人為的に作成」し、それを「高貴な刀」として統治に利用する人々は、とんでもない悪人なのではないか? そもそも目の前に「高貴な刀」として提示されたものを「権威」と認識できない人々にそれを「権威である」と認識させるためには、どうしても「教育」という「工程」が必要になる。この「教育工程」こそ、「プロパガンダによる洗脳」なのではないか?
私は政府のような資金や強制力を持たないから「プロパガンダによる洗脳」を実施する主体にはなりえないが、それでも、他人に「プロパガンダによる洗脳」を思い起こさせるような行為は、なるべくならしたくないと思う。私が自分の好きなものを人々に紹介するときは、「教育」ではなく、そこに参加するメリットを具体的に提供できるといいなあと思う。
【編集履歴】
Feb/06 06:27 (JST) : 誤字を訂正しました。「ベンチャー株を釣り上げた」を「ベンチャー株を吊り上げた」に修正しました。